Sweetfish
2009年 11月 04日
数日前、8年ほど関わってきた聴覚障害者のおばあちゃんが亡くなった。86歳位だったから、仕方ない、とも言えるけども、とても切なく寂しく、心残り的な思い…、それはチームで支えてきた他の仲間もみな同じ気持ちらしい…。
本当に、この人には苦労させられ、最初の頃、この人の通訳だけは断りたいと何度思ったことか…。
ところが、次第に、我が儘で自己中心的な所がある半面、とても可愛いらしい無邪気さ、天真爛漫的な性格、そんなどんなに大変な状態になっても、なぜか憎めない不思議な人だった…。
数えあげれはキリがないほど、色々な事があった…、でも、あの我が儘さえも、今や懐かしく愛おしい…。
我が家の老猫けいちゃんが具合が悪くなった同時期に、おばあちゃんの状態が悪くなったという偶然。
そして今、とりあえず、けいちゃんはまあまあ元気になって、おばあちゃんは永眠した、この明暗がまた切ない。
実は、亡くなる前に、危ないらしい、という話しを聞き、一度だけ入院している病院に見舞いに行きました。
チームの仲間と相談し、みな思い入れは同じ、それぞれに見舞いに行く事を良しとしたのでした。
おばあちゃんは、私が行った時はかろうじて意識があったけど、手は拘束されてたから、手話は出来ない状態で、意識が半ば朦朧としている感じのおばあちゃんに私は必死に話しかけたのでした。
‘早く元気になって、一緒にお蕎麦を食べに行きましょうね、頑張ってくださいね…’話しながら、涙がポロポロしてしまった私をおばあちゃんはじっと見つめ、首をかすかに動かしました。
一ヶ月に数回は顔を合わす事が多かったけれど、あくまでも仕事上だけの関係だったから、どこかに食事に行くという事は出来ない立場であるので、おばあちゃんからの誘いを数え切れない程、断ってきたし、時々は敢えて冷たいそぶりもしたりしたのでした。
今となっては切ない笑い話だけど、まだ元気があった頃、病院の帰りにどうにかして、一緒にご飯を食べに行きたいと言い張り、家に帰らないと言い出し、その時は事情があって、自宅まで連れ帰らないとならない事になったので、本当に困ってしまったのでした…。
正直、一度くらい、一緒にご飯を食べるのに付き合えば良かった…、と、後悔しています。
通訳者はこうあるべきという姿勢は大事だし、私たちはお世話係ではない、と分かっているけど…。
おばあちゃんのことは絶対に忘れないと思います…。
by MarumiHappy
| 2009-11-04 01:42
| 手話